英語を勉強しないとボクシングの試合に勝てないという話

 高校時代、長男はサッカーをしていたので本格的な受験勉強のスタートが遅かったと思います。国立大志望なので5教科の勉強をしなければならず成績はなかなか上がりません。焦る気持ちから、理系なので英語よりも理科の勉強を優先すると言い出しました。英語を捨てると受験できる大学が限られてくるので自分の生徒には絶対に勧めない作戦です。英語が得点できない人がそれを数学や理科で挽回するというのは現実的ではないので、英語の試験がないか、あっても得点の割合が低い学部を探すしかありません。

 確かに、英語は偏差値が上がるまでに相当時間がかかりますから、理科を先にやる方が成果が上がりやすいでしょう。級友たちが英語に苦戦している間に長男は化学と物理の仕上げにかかりました。その結果、彼は中国地方の国立大学に合格しました。個別試験に英語がない学部を狙ったわけです。

 それはさておき、大学に入学した長男は突然ボクシング部に入りました。穏やかな性格でサッカー部時代はディフェンス、短距離よりも長距離が得意だったのでとても向いているとは思えませんでしたが、逆にそういう性質だから挑戦して見たかったのかもしれません。

 サッカーをやっていた頃と同様に長男はストイックにボクシングに打ち込みました。やがてキャプテンになり、中四国の大会では賞状をもらうこともあって、その辺ではちょっとだけ有名選手になっていました。

 3回生の冬、引退試合があるというので、会場の一橋大に足を運びました。

 試合は1回きりです。これまでの戦績で対戦相手が決められます。中四国では連勝中の長男の相手は、いつもは一つ上の階級で戦っている東大生でした。

 一つのリングで軽い階級から順に試合が行われていきます。ボクシングの試合を観戦するのは初めてでしたが、動きの速さ、パンチの炸裂する音、軽い階級でもかなり迫力があります。こんなに激しいバトルをうちの子供ができるんだろうかと心配になりました。

 2時ごろまで待たされましたが長男の試合はあっという間でした。最終3ラウンド、スタミナ切れで足が止まった瞬間、相手の右ストレートを喰らってKOされました。

 試合の後、意外にも長男は清々しい顔をしていました。死に物狂いで戦うと気持ちいいのだそうです。悔いはない様子でしたが、唯一中国地方では試合相手を探すのが大変であったとこぼしていました。いろいろな相手と試合をして経験値を上げておきたかったそうです。

 勉強は都会の学校に行かなくてもできます。国立だと設備も充実しているし、教員一人に対する学生数が少なく、また物価が安かったりと地方の大学の魅力はたくさんあります。しかし、スポーツで強くなりたければ、より厳しい環境、つまり強い奴がウジャウジャいるところに身を置く必要があるでしょう。その点、都市圏の大学は規模が大きく、部活動にも活気があり、実際強いのです。勉強だけでなく、部活やサークル活動なんかにも力を入れたいという人はやはり英語の勉強を疎かにしてはいけないという話です。

投稿者: roundstone1966

高校の教員をしています。数学の授業の評判は今ひとつなのですが、学級通信だけは面白いと褒めてもらっています。大学受験に向かう生徒を励ます目的で書いたものが大半ですが、皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。

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