YouTubeを開くと、8月にUPした私の動画が出て来ます。そのすぐ下にいつも、白いニットの女性の動画が出て来るんです。読み方はわかりませんが、女の人の名前っぽくない気がします。
「nossa alma canta」
AIがどのようにピックアップしてくるのか詳しく知りませんが、所詮はただの情報通であって、音楽の良し悪しはわからないでしょう。私はスマホもYouTubeもない頃からJAZZを聴いているので、そんなオススメに頼らなくてもいいんです。
ところが、毎日毎日、その女性の動画が出てくるんです。AIにも意地があるようなので聴いてみることにしました。結構な美人なので損はしないでしょう。
私の動画はボサノバの演奏なんですが、やはり彼女はブラジル音楽のヴォーカリストでした。長めのギター伴奏から歌に入って間もなく、その心地よい歌声に一発でノックアウトされました。この人と同じカテゴリーに入れてもらえるなんて感激です。さすがAI。
優れたミュージシャンは、例え小さなイヤフォンを通してでもその空気を運んでくることができるんですね。電車の中にいながら、「ブラジルの風を感じる」とでもいいましょうか。
場所は小さなレストランのようで、客の話し声が聞こえます。
「ブラジルに行けば、こんな間近にこの演奏が聴けるのか!」
リオでしょうか、それともサンパウロ?
どっちも行ったことないですけど。
しかし演奏が終わると彼女はその美声でこう言うのです。
「Gracce」
「グラッツィエ」