水曜の昼休み、私は校門の立番に当たっています。その日はしっかり雨が降っていたので校門には立たず、昇降口の屋根の下で校外に出る生徒がいないか見張っていました。さすがにこの雨では遊びに出るのも面倒でしょう。
見上げると屋根の内側に燕の巣がありました。4羽の雛が顔を出しています。親鳥が、餌を与えては飛び立っていきます。
燕は地面に降りたり、木にとまったりする様子はありません。ひたすら飛び回って、おそらく飛んでいる虫を咥えて巣に戻ってきます。
雛は大きく口を開けて身を乗り出します。親鳥といえどそんなに多くの虫は口に入らないでしょう。1羽にだけ与えるとまたすぐに飛び立ちます。雨の中を、傘もささずに。♫
こうして4羽の雛を満足させるまでにおそらく何時間も飛び続けるんですね。すごい体力です。
こんなに小さな生き物ですが、信じられない能力を持ち、折れない心で立派に子育てをして命を繋いでいる。
私も子育てはとっても大変でしたから、飛び回る燕に同じ親としてエールを送っていると、チャイムが鳴りました。
先日、久しぶりに会った友達と焼き鳥屋に行ったのですが、私はししとうや椎茸ばかりを食べていました。
どこか悪いのかといって心配するのでこの話をしたんです。
「前から思ってたけど、お前は変わったやつやなあ。」
「燕だけじゃない。みんな一生懸命生きてるんだよ。」
「ししとうや椎茸、枝豆、じゃがいも。それから厚揚げもな。」